こんにちは。東京渋谷のオリジナル雑貨製作会社のラツィオです。
60代の年齢になって、ようやく「自分が本当に着たいTシャツ」を作ろうと思いました。
それは、若い頃に着ていたような派手さや流行とは少し違う。「控えめだけど芯がある」「シンプルだけど品がある」──そんなTシャツを、今の自分が求めていた作品です。
Tシャツのデザインで一番こだわったのは、襟の後ろをほんの少し高くしたこと。
年齢を重ねると汗じみが気になってくる。とくに首の後ろ。
電車に乗ったとき、椅子にもたれたとき、他人の目がふと気になる。
「だったら、襟で隠せばいい」──この発想が、今回のTシャツづくりの出発点でした。
私は長年アパレルの世界にいて、ネクタイや雑貨も多く手がけてきました。
けれどTシャツとなると「ただのカジュアル」では終わらせたくない。
自分のデザインには、日々の美意識や、丁寧に生きる姿勢をにじませたいと思っている。
たとえば、縫い目の出し方。
少しの段差や影が、立ち姿を変える。
たとえば、色の選び方。
派手すぎないけれど、白髪や年齢肌にもなじむ色を選びたい。
それは単なる「着るもの」ではなく、“装い”という所作であり、自分を整えるための道具でもあるのだと思う。
このTシャツは、そんな気持ちから生まれた一枚です。
派手な主張はありません。けれど、着るたびに「なんだか今日は姿勢がいい」と感じていただけたら嬉しいです。
それは、背中から伝わるあなたの美しさだからです。
これからも、自分が本当に納得できるものだけを、少しずつ形にしていきたいと思っています。
ファッションは若さのためだけではありません。
年齢を重ねたからこそ似合う一枚があると、私は信じています。
